水口の甲賀市役所へ行った。
住民票や各種手続きなど、市役所に用事がある市民にとって、まず必要になるのが駐車場である。ところが、その日は駐車場がいっぱいで、車を停める場所が見つからなかった。
仕方なく、しばらく駐車場の中をぐるぐる回っていた。
すると、市役所の建物から、明らかに市議会議員とわかる人たちが何人も出てきた。そして、それぞれ自分の車に乗り、一般駐車場から出て行った。
そこで思った。
これは公務ではないのか。
議員が市役所に来ること自体を問題にしているのではない。議会、委員会、打ち合わせ、行政との協議など、必要な用務があることは理解している。
しかし、それは市民としての来庁ではなく、公務としての来庁である。
市役所の一般駐車場は、本来、市民が手続きや相談のために利用する場所ではないのか。住民票を取りに来た人、福祉の相談に来た人、税金や保険の手続きに来た人、子育てや介護の相談に来た人。そうした市民が停められずに困っている一方で、公務で来ている議員の車が一般駐車場を使っている。
これは、市民感覚として、どうにも納得しにくい。
気になったので、警備員の方に聞いてみた。
すると、どうやら議員や市長は、自分の車を一般駐車場に停めることができるらしい。
一方で、それ以外の職員は、有料駐車場や、少し離れた場所にある市の駐車場などを利用しているとのことだった。
ここでさらに疑問が生まれる。
なぜ、一般職員は一般駐車場を使わず、議員や市長は使えるのか。
市民から見れば、議員も市長も、仕事で市役所に来ている立場である。
むしろ、公務として市役所に来るのであれば、市民用の駐車スペースを圧迫しないよう配慮するべきではないか。
もちろん、高齢の議員や、身体的な事情がある人、緊急対応が必要な場合など、一定の例外は必要だろう。来庁時間や業務内容によって、配慮が必要なケースもあるかもしれない。
しかし、原則としては、市民用駐車場は市民のために空けるべきである。
市役所は、市民のための施設である。
議員や市長は、市民の代表であり、市民のために働く立場である。だからこそ、自分たちが便利に使うことよりも、市民が困らないことを優先してほしい。
駐車場ひとつの話だと思うかもしれない。
しかし、こういうところに、市政の姿勢が表れる。
市民が車を停められずに困っている横で、公務で来た人たちが一般駐車場を使う。
しかも、それが制度上認められている。これでは、市民から見て「特別扱いではないか」と感じられても仕方がない。
市民に近い政治を言うのであれば、まずはこういう身近なところから見直すべきではないか。
議員や市長が市役所に来るなと言っているのではない。
仕事で来るなら、仕事で来る人として、相応しい場所に停めてほしい。
市民が使う駐車場は、市民のために空けてほしい。
それだけのことである。